【関東大震災】 名もなきカメラマンの記録から #7
名もなきカメラマンの記録、今回は小田原駅と早川方面の様子をご紹介します。
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大正12年9月18日 小田原
下りホームの中ほどから熱海方を見た様子です。
ホーム上屋はことごとく崩れ落ち、上りホームでは停車中の客車に覆いかぶさっています。
「鉄道震害調査書」によれば、小田原ではタンク機1両、テンダー機2両、客車6両、貨車32両が
被災しているとのこと。
その客車6両がここに写る一連のナハ22000形と思われ、手前から車掌室の付いたナハフ、
車掌室の無いナハ、2連窓で間隔一定に見えるのはナロ?、・・・と繋がっているようです。
また、洗濯物が干されるなど、なんとなく生活感のあるホームですが、留置された客車の中で
被災民が生活しているものと思われます。
ここではまだ電化の足音は聞こえていないようです。
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大正12年9月18日 早川-根府川 不動山隧道熱海口
次は早川駅を通り越して、最初のトンネル「不動山隧道」を熱海側から撮っています。
ネガにある”5と1/2”は国府津起点からここまでの熱海線の距離、5.5マイル=約8.8kmに一致しています。
美しい複線用のトンネルには上り線側のみにレールが敷かれているようです。
内部のアーチに大きな破綻は見られませんが、こちら側の坑口はポータルに亀裂が入り
迫石に沿って破断してしまっています。
路盤の瓦礫は山側の擁壁が崩れたものでしょう。
この後は石橋のカーブ鉄橋として有名な、玉川橋梁へと続きます。
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